はじめに
インドネシアへの訪問を考えている方は、治安がどうなのか気になりますね。
特に、2016年にジャカルタのサリナ・デパート付近で、イスラム国関連のテロがあったので、不安に思う人が多いのではないかと思います。
外務省が提供する海外安全ホームページを見ると、危険レベル1と示されています。
危険レベル1:十分に注意してください。
その国・地域への渡航、滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
(出典:外務省 海外安全ホームページ)
しかし、これは統一的な指標で、インドネシアの治安が具体的にどうかは、イメージがしにくいですね。
そこで、今回は、自分のインドネシア留学経験を踏まえて、インドネシア、特に日本人がよく訪問するジャカルタの治安に絞って、解説していきたいと思います。
目次
1 実際どうなのインドネシアの治安
私は、ジャカルタの郊外であるデポックという都市に滞在していたのですが、日本人がインドネシア人から直接的に危害を加えられたという話は、ほとんど聞いたことがありません。
確かに、1990年代に駐在をしていた方などが、タクシーで閑散とした場所に連れて行かれて、鋭利な刃物で脅され、お金を奪われたという話は聞いたことがあります。しかし、現在は信用のあるタクシー会社(ブルーバードやエクスプレス)が台頭してきたため、そういった被害もかなり少なくなったようです。
しかし、身体に危害を加えられることはないものの、盗難や事故に遭う可能性は、日本と比べてかなり高いです。
では、どういった場面に気をつけるべきかを、以下で確認していきましょう。
2 盗難・スリで気をつけるべきリスト
2.1 電車等の公共交通機関
ジャカルタの電車は、ジャカルタ内の移動、郊外から市内への移動ともに、数十円で利用することができます。つまり、貧しい人も使える値段設定になっています。また、ラッシュアワー時には、日本に引けを取らないほど、満員電車となります。そのため、油断をしている外国人を狙ったiPhone等の盗難が多発しています。実際に、自分が留学している間にも、この被害にあった方がいました。というのも、ジャカルタの平均月収が約2万円に対して、iPhone6sを中古で販売すれば10万円程度になります。そのため、貧しいインドネシア人がiPhone6sをスリすれば、半年分くらいの収入を得ることができ、かなり盗難に対するインセンティブが高いことになります。
絶対に、スマホは前ポケット、もしくはカバンの中にスマホを入れて、カバンを自分の前に背負ってください。実は、インドネシア人でさえ、電車を利用する際は、カバンを前に背負うことが多いです。
電車やトランスジャカルタといった、公共交通機関を利用する際は、十分に注意して利用してください。
2.2 タクシー選び
最初に少し触れたように、現在は、タクシーによる強盗は激減しているようです。しかし、タクシー会社選びを怠ることで、被害に遭う可能性は高くなります。
絶対に、エクスプレスやブルーバードといった、信用あるタクシーを使うようにしてください。
インドネシア人の友人でさえ、この2社以外のタクシーを使うことを拒んでいました。いわんや、日本人をや、です。
近年は、安全あるタクシーと騙そうとする会社も出てきたようなので、注意してください。以前に、書いた記事で詳しく書いてあります(↓)。
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3 思わぬ事故に気をつける
3.1 交通事故に気をつける
ジャカルタの交通渋滞とバイクの使用率は、世界でトップクラスです。
また、少しジャカルタの中心から離れると、信号さえ守りません。実際に、外国人がバイクにひかれるといった被害は、しばしば聞くことがあります。
しかし、最初はインドネシア人の後ろについていくといったことを繰り返しているうちに、ジャカルタの交通に慣れていきます。注意力と訓練によって、交通事故に遭う可能性は下げられますが、短期滞在者は、できれば道路と歩道が分かれている道以外は(ジャカルタには日本では歩道と呼べない歩道がたくさんあります)、歩かないことをお勧めします。
3.2 経験者が語る思わぬクレジット被害
クレジットカードがスキャニングされることに、気をつけるといった記事がありますが、スキャニングはそこまで気をつける必要ないです。
まず、クレジットカードが使える信用ある場所では、スキャニングされることはまずない。そして、何よりクレジットの被害では、ほとんど保険が対応します。
もっと、気をつけるべき場所はATMの引き出しです。
日本のATMでは、カードを引き出した後に、お金が出るようなシステムが多いです。また、カードを引き忘れても注意音がなり、カードを抜き忘れるということはほとんどありません。
しかし、インドネシアのATMでは、お金を引き出した後に、カードが出てくることが多いです。また、日本と異なってカードを抜き忘れても、注意音がなりません。それどころか、少し時間が経つとカードがATMの中に引き込まれてしまいます。そして、そのカードはなかなか戻ってきません(苦笑)
厳密に言うと、銀行に設置されているATMでは、しっかりと説明すればATMの中を調べてくれますが、コンビニ等に設置されているATMでは、必死にインドネシア語を駆使して時間をかけないとなかなか戻ってきません。
実は、カードが紛失したことに気づく際に、カードが吸い込まれたことを想像しないため、カードを置き忘れて持って行かれたか、盗難にあったと考える人が多いようです。しかし、実際はATMの中にカードが入っているかもしれません。
僕も、カードが吸い込まれてしまい、数十時間の末に、ATMの中のカードを返還することに成功しましたが、ATMの中には日系銀行のクレジットカードがいくつかあり、びっくりしました。(そのATMは、外国人が住むアパートの前にあるコンビニであったため、何人かの日本人が被害にあったと推測できます。。)
インドネシアのATMでは、まずカードを抜くことを第一に意識してください!(もちろん、お金を引き出すことも忘れずに笑)
3.3 麻薬・ドラック
この被害も聞いたことがありませんが、インドネシアでは麻薬やドラックの罪がかなり重いです。
夜のお店等で、お酒をおごってもらい、思わず被害に遭ってしまうこともあるようなので気をつけて下さい。
3.4 デモや暴動
僕が留学していたインドネシア大学の学生も、政権に不満等があるとデモや暴動を起こすことがあります。
学生に話を聞くと、インドネシアでトップの大学であるインドネシア大学の学生こそ、デモに参加するべきということを述べていました。
もちろんこの学生だけでは判断できませんが、現在の日本の大学生とは、政府に対する意識が異なるようです。
それはさておき、デモや暴動はジャカルタで頻繁に起きます。外務省に在留届を出してメールアドレスを登録すると、デモや暴動の情報を事前にメールで伝えてくれます。また、外務省はネットを通じて、こういったデモや暴動の情報を事前に提供しているので、情報をチェックして、思わずデモや暴動に巻き込まれないようにしてください。
暴動やテロを見るために近づくのも危険なので、やめておいたほうがいいです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
主に自分が留学した実体験に基づいて、インドネシア・ジャカルタの治安について綴りました。
少しでも役に立てば光栄です!
それでは!!