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はじめに

ジャカルタといえば、何を思い浮かべますか?

インドネシアの首都!、高層ビル!、ジャカルタ48!、モナス!といった色々な答えが飛び交ってきそうですが、

僕が、まず思い浮かべるのは、渋滞です。

僕自身、インドネシアに留学していた際に、渋滞には本当に苦労しました。

少し余談ですが、僕が滞在していたデポック(ジャカルタ南部と接している街)から、ジャカルタ中心部に車で行くためにかかる時間は、30分〜3時間です(笑)。

つまり、交通状況によって、到着時間が数時間も大きく変わってしまうほど、渋滞が大きな問題になっているのです。

そんな、ジャカルタだからこそ、政府は頻繁に渋滞対策を行っています。

今年、2016年7月27日にも、車のナンバーによる入境規制が導入されました。

今回の記事では、新しい渋滞対策の制度と、2016年5月まで行われていた制度、関連知識の紹介をしていきたいきます!

1 車体ナンバーによる入境規制とは

それではまず、車のナンバーによる入境規制を紹介していきます!

1.1 車体ナンバーによる入境規制の概要

この制度は、ジャカルタのラッシュアワーの交通量を緩和することが目的となっています。

ジャカルタでは、午前7~10時午後4~8時頃が、1日の中で交通量が多いラッシュアワーとなっています。

そのため、

平日朝の午前7~10時と、夕方の午後4~8時の間、日付に応じて走行可能な車のナンバーを偶数か奇数かに制限することにしました。1)バスやタクシーなど公共交通と緊急車両、大統領や閣僚関係者の車両は対象外です。

制限がかかる道路は、企業や官庁が集中する、ジャカルタ中心部の5つの道路(タムリン通りやスディルマン通りなど)となります。

例えば、8月2日は、偶数の日付のため、偶数の車体番号だけが、5つの道路で入域可能です。

8月3日は、奇数の日付のため、奇数の車体番号だけが、5つの道路で入域可能です。

これが、制度の概要です。現在は、2016年8月現在は試験的に行われ、9月以降には本格的に実施されるようです。

しかし、この制度は本当に効果的なのでしょうか?

1.2 車体ナンバーによる入境規制は可能か!?

僕がインドネシア留学していた実感と、インドネシア人の反応を見ていると、この政策は効果的であるかは疑問符が立ちます。

その理由は、インドネシア警察における管理能力です。

日本に過ごしていたら、想像することが難しいですが、インドネシアの交通ルールは全く機能していません。

ジャカルタ中心部では改善してきていますが、基本的に信号を守らない車がほとんどです。

そして、免許証はあってないようなものです。僕の友人のインドネシア人も、無免許運転は数多くいました。免許証は、教官にいくらかの賄賂を渡せば、手に入れられるようです(最近は、相場が高くなってきて、地方に行って賄賂を渡したほうが安く手に入れられるような話もしています笑)。

このような状況で、実際に制度は有効に実施されるのでしょうか。

多分、警察への賄賂が横行することや、ナンバーを付け替える新たなビジネスが生まれることが予想されます。

実際に、2016年5月まで施工されていた「スリーインワン」制度も、渋滞を解消するといった機能を果たすことなく、制度を打ち破るビジネスが生まれていました。

次に、5月まで実施されていた、「スリーインワン」制度とそれを打ち破るビジネスを紹介します。

2 スリーインワン制度と打破するビジネス

「スリーインワン」制度は、先ほど説明した車体ナンバー入域規制と似ています。

午前7~10時午後4~7時頃のラッシュアワー時に、ジャカルタの中心部の道路では、3人以上乗っていない車は、通行できないという制度です。

一見1人で通勤する人が公共交通機関を利用することや、集団で車を利用すること促進して、交通量が減少しそうな気がしますが、インドネシアではこの制度はうまくいきませんでした。

この制度を打ち破るために、新たなビジネスが登場したのです。

その名も「ジョッキー」

何も知らないで、その状況を見たらただのヒッチハイクに見えるかもしれません。(下の写真のような人たち)

ジョッキー

ジョッキー(出典:ロケットニュース)

これを見て、ピンときましたか?

これは、「スリーインワン」制度を打ち破るために、車内の中に1人(または2人)しかいないがジャカルタの中心部を通過したい層に、ターゲットをあてたビジネスなのです。

この人たち(ジョッキー)を乗車させることで、車内に3人以上乗せることができるのです。

規制が始まる場所から、ジョッキーを乗せて、規制が終わる場所で、ジョッキーをおろす。

そして、ジョッキーはだいたい日本円で200円~300円のお金をもらうことができる。

このようなビジネスモデルになっています。

だいたい、3時間程度の間に、700円程度稼げると言われていました。

日本人からすると、3時間で700円では、やる価値がないと考えるかもしれませんが、ジャカルタの最低賃金は月に2万円程度です。

また、これは正規雇用者(フォーマルセクター)の賃金水準で、インドネシアは正規雇用者以外のインフォーマルセクターの割合が7割も存在します。

単純に計算すると、1日6時間(午前と午後のラッシュアワー時)、20日間ジョッキーを行うと、一ヶ月で2万8千円程度もらえることになります。

もちろん、これは単純計算で、気候の変化(スコール等)や参入者の増加で、必ずしも最低賃金以上、お金が手に入るかはわかりません。

しかし、インドネシアの給与水準やインフォーマルセクターの高い割合を考えると、十分にジョッキーに参加するインセンティブはあるのです。

このようにして、ジョッキーはジャカルタのインフォーマルセクターを代表する?ビジネスになりました。

結果的に、「スリーインワン」制度は、交通渋滞解消の目的は達成することができずに、2016年5月にこの制度は廃止されてしまったのです。

 

3 知識を広げておこう

3.1 世界の交通量を把握するためには?

「ストップ・スタート指数」があります。イギリスのBP傘下のカストロールが2015年に発表したものです。世界主要都市の交通状況を把握することができます。

3.2 渋滞を生かした新興IT企業とは

インドネシアを中心に、バイクタクシー、バイク宅配のGOJEKという会社が台頭しています。

この会社は、スマートフォンアプリと連携し、バイクタクシーや、宅配サービスを行っています。

インドネシアでは買い物代行サービスだけで年400億円規模の市場を生み出したといわれています。2)インドネシア大学、レナルド・カサリ教授

渋滞が問題であるがゆえに、台頭してきた先進的な企業です。

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回は、インドネシアの新たな渋滞対策や、これまでの渋滞対策(スリーインワン)と失敗を紹介してきました。

何か不明な点がありましたら気軽にコメントしてください!

それではまた!

References   [ + ]

1. バスやタクシーなど公共交通と緊急車両、大統領や閣僚関係者の車両は対象外です。
2. インドネシア大学、レナルド・カサリ教授